About Mpata

ムパタ・サファリ・クラブ設立の中心的役割を果たしたのは日本人の雑誌編集者でした。取材のため訪れたケニアで画家「Simon George Mpata(サイモン・ジョージ・ムパタ)」と出会ったのが、すべてのきっかけです。ムパタの素朴で力強い絵にアフリカの魂を感じ、とりこになった編集者は、ニューヨークでムパタの個展を敢行、アンディー・ウォーホールやキース・ヘリングといった現代アメリカ・ポップ・アートの巨匠たちから高い評価を受けることになります。その後、日本各地でもムパタ展を催すこととなり、画家本人を呼び寄せようとしましたが、ムパタはその前年、すでに他界してしまいました。

画家の肉体は彼方の世界に行ってしまいましたが、彼の絵、彼の魂に共感したアフリカ好きの同志たちが、彼の魂を永遠に残すためカタチにしたのが彼の名を冠した「ムパタ・サファリ・クラブ」です。

生命科学者であった故ライアル・ワトソン博士を名誉会長に、アーティスト、学者、医者、会社員、主婦など、多岐にわたる人々が会員となり、1992年に完成しました。

ケニアNo.1の野生動物の宝庫、マサイ・マラ国立保護区に隣接したオロロロの丘に建つムパタ・サファリ・クラブは、日本建築界が誇る鈴木エドワード氏の設計による渦巻き状のユニークなコテージ群からなる環境共生ロッジです。フロント・デスクやレストランのあるセンター塔を中心に、23部屋のコテージが、さながら鳥が羽を広げたかのように左右に広がっています。ロッジは、自然光をふんだんに取り入れる全面採光設計により、日中の照明を必要としない、環境に優しい造りとなっています。

ムパタ・サファリ・クラブでは「アフリカを全身で感じとり、自分の言葉で環境を語ることができるようになること」をテーマに、アフリカの知恵、自然から学ぶ、エコ・ツーリズムを実践しています。
1996年、このような活動が高く評価されケニア政府からも「Best Lodge in Kenya」として表彰されました。

画家ムパタは多くの傑作を残しました。そして、そればかりでなく、多くの人の心に、底抜けに明るい、力に満ちた、新しい未来を産みだしていったのです。

ムパタ・サファリ・クラブが良く解る本

ムパタ・サファリ・クラブの名前の由来とは?
ムパタ・サファリ・クラブが建っているオロロロの丘とは?
その答えがこの本にあります。

「一度アフリカに足を踏み入れた人間はアフリカの手に掴まえられてしまう」
無頼の編集者、黒田十三もその一人だった。雑誌の撮影でケニアを訪れた彼は現地の画家ムパタの絵に強く惹きつけられる。パリでの取材を放り出し、フランス娘パスカルとともに、再びアフリカの大地に立つが!?
(『アフリカの絵本』改題、伊集院静著)

ついに出版社を飛び出した黒田十三。建築家・藤巻龍三郎と意気投合した彼は、ケニアの丘に旅行者のためのロッジを建てることを決意する。日本でムパタの展覧会を成功させ、現地に乗り込んだ十三を待ち受けるものは!? アフリカの大地に夢を描いた男と女の物語、クライマックスへ。
(『アフリカの絵本』改題、伊集院静著)

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CSR

道を作る。ムパタ・サファリ・クラブの建設は、文字通り一本の道を作ることから始まりました。そして、それは現在のムパタ・サファリ・クラブのCSRへの取り組みにも反映されています。

マサイ・マラ国立保護区における生物多様性確保のための環境保全プロジェクト

ムパタ・サファリ・クラブは、世界的に有名なマサイ・マラ国立保護区に隣接しています。野生動物の宝庫として知られるマサイ・マラには世界各国から観光客が訪れます。国の財源を観光に頼るケニアにとって重要な地域であるにもかかわらず、資金的・技術的な課題により、観光の基盤となる道路が適切に整備されておらず、無秩序に走行するサファリ・カーによる土壌への影響が大変懸念されてきました。

マサイ・マラの土壌は黒色粘土質で、水分を含むと大変ぬかるみ、反対に乾くと極度に硬くなるという性質をもっています。雨の後に車が走ると、わだちがどんどん深くなり走行が一層困難になるため、道路を外れて草原地帯に乗り入れる車が後を絶ちませんでした。そのため、主要な道路の周辺にはいくつもの車の走行跡が裸地となって幾筋も並ぶようになり、貴重な生態系を破壊する悩みの種でした。 それまでも道路は補修されてきましたが、応急処置的で抜本的な解決に至っておらず、毎年、補修を繰り返さざるを得ない状況でした。

そこで我々は2006年に、日本経団連の自然保護基金のサポートを受け、低コストで抜本的な解決策となりうる「土のう工法」を保護区内で導入し、その実証を3年かけて行いました。その結果、例え冠水しても車が安定して走行でき、環境保全に有効な道路作りを見事成功させたのです。

<土のう工法の利点>

・土や礫等の自然素材を土のうで包むというシンプルな技法
・浸水性に優れつつ、内包する土粒子や礫を外部に流出しない長期安定性
・強力な耐荷重性
・従来の道路補修工事と比較して安価なコスト
・容易な技法による現地導入のしやすさ

なおムパタ・サファリ・クラブへ通じる道は、現在では公道となり、近隣住民であるマサイ族の人々の生活道路として大変重要な役割を担うようになりました。加えて、近隣住民に急病人が出た場合、この道を使うのはもちろん、病院までの搬送車を無料で提供しています。

すべては一本の道作りからスタートしたムパタ・サファリ・クラブは、道作りを通じた環境保護、地域社会への貢献、エコ・ツーリズムの拠点として、これからも積極的に活動していきます。

その他の取り組み

  • ・近隣の小学校への寄付と校舎設立への協力
  • ・近隣住民への飲み水の無償提供
  • ・観光客へのマナー・モラルの呼びかけ
  • ・豊田自動織機様、トヨタ自動車様のご協力のもと、体に不自由のある方向けに改良されたサファリ・カーを活用した
     バリアフリー・サファリの実践